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人間ドックのデータ、HbとHbA1c

人間ドックの検査データには色々な項目がありますが、よく誤解されているのがHbとHbA1cの混同です。どちらもHbという文字があるため、同じようなものだと思われがちですが、全く違うことを調べています。Hbはホモグロビンの略号です。ヘモグロビンは血色素とも言い、赤血球の中に存在します。

ヘムという鉄を持ち、体内に酸素を運搬するという役割があります。Hbが少ない場合は貧血を一番に考えますので、Hbは貧血の指標となる検査とも言えます。Hbが多すぎる場合は多血症を考えます。ストレスやタバコの吸いすぎ、脱水、呼吸器疾患で血液中の酸素が不足している、血液を造る骨髄に何らかの異常があるなどでHbが増加することがあります。

それに対して、HbA1cはヘモグロビンに糖が結合した糖化ヘモグロビンのことを表しています。この検査で、約2ヶ月間の血糖値の平均状況を見ることができます。つまり、HbA1cは糖尿病の指標となる検査です。このように、Hbは貧血の指標でHbA1cは糖尿病の指標と、まったく別のことを調べています。

よく、明日は人間ドックだから今日は甘いものは止めておこうとか、来月の10日に検査があるから不摂生は月末までにして、月が変わったら節制しようなどと、体を治したいのか検査データを治したいのかわからないような人がいますが、HbA1cの数値を治そうと思えば、約2ヶ月間の節制を行う必要があります。糖尿病の人が、数日や数週間だけ節制した場合は、血糖値は基準内になったとしてもHbA1cが基準値をオーバーします。人間ドックではこのような急場しのぎをしても、データの数値に正直に表れます。

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